①馬鹿は騙されて損して負け続ける

「勉強は中卒で十分」と言う父

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塾を選ぶ際には、学習指導をする人間の学歴・経歴・人柄などが気になると思いますので、塾長である私の経歴と共に勉強に関する思いなどをご紹介しようと思います。

私は岡山市の「妹尾」で出生し、2~3歳の頃に同市の「藤田」という地に転居したので、私の幼少期の記憶はほとんど藤田にあります。

私の父は三人兄弟の長男ですが、早くに両親が亡くなったことから中学を卒業してすぐに働き始め、妹と弟の生活を支えてきました。

父が働き始めた頃にどんな仕事をしていたのか分かりませんが、物心がついたときには、藤田で野菜・果物・肉・魚などの食品から日用品までを販売する小売店を経営していました。

私は三人兄妹(妹二人)の長男だったので、父は将来私に店を継いで欲しいと思っていたようです。子供ながらにそんな父の気持ちを理解し「将来は何になりたい?」と聞かれたら「お店がやりたい!」と答えていました。調子がいいというか何というか、変なところで気を遣う子だったかもしれません。

父は天性の明るい性格の持ち主で、お客さんからは結構好かれていました。分かりやすく言うと、今は亡き横山やすしさんのようなタイプですね。何かといえば「心意気」「人情」「男は度胸」と言い出す出す熱い男。

歌を歌うのが大好きで十八番は「刃傷松の廊下」と「浪曲子守歌」。店にカラオケを置いて客に演歌を歌って聞かせるくらいのお調子者です。

パチンコ好きで、私は何度も連れて行かれました。教育上は結構問題のある父ですが、幼い私にとってはとても面白くて良い父親でした。

しかし、小さなことに捉われない人であった半面、小さなことに気付かない人でもありました。家族との約束はすぐに忘れ、待ち合わせをしても時間が守れず、反省もしないので謝罪も適当です。そんな性格ですから、母にしつこく責められると「細かいことを言うな!」と逆ギレするしかありません。人は良いのですが下手なのです。生き方が。

父は車の運転に関しても注意と反省が無いので何度も交通事故も引き起こしました。父が運転する車の助手席に乗っていた当時1歳だった私は、父が引き起こした交通事故によってガラスの破片が左目の周りに突き刺さり、今でもその傷跡が残っています。

事故した直後、血まみれになった私の顔を見た母は「死んだ」と思ったそうですが、命に別状はなく失明もしませんでした。不幸中の幸いとは正にこのことです。

そんな父は、子供の教育について「勉強は中卒くらいで十分。ワシは中卒で何も問題なかった。最低限の計算ができればいい。」と話していましたので、私が小学2年生の時に初めて通った塾はそろばんでした。

当時の私には、そろばんの価値も勉強の意味も分かりませんでしたが、練習するたびに上達していくことを単純に「楽しい」と感じ、3年生になった時には4級に合格しました。

一人の男が現れて生活が一変

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そんな風に始めたそろばんも、我が家に来た一人の人間の影響で辞めることになりました。その人物とは、後に私が強制的に「お父さん」と呼ばされることになる男です。

過去の話とはいえ、その男をお父さんとは二度と言いたくないので、この後は仮名で「A男」と呼ぶことにします。

ある日、父の営む店に客として訪れたA男は次第に両親と仲良くなり、家の中に入って話をするような仲になってきました。

頻繁に訪れるA男は、なぜかいつも子供の私たちにおもちゃをプレゼントしてくれました。未だに何の目的があったのかよく分かりませんが、当時の私は単純に「良い人」と感じていました。そんなA男は、とある道場で柔道の先生をしていました。

詳細は忘れましたが、当時3年生だった私はA男の影響からそろばんを辞め、A男が先生として通う道場で柔道を習うことになりました。

どこでどんな風に歯車が狂ってしまったのか・・・。A男が現れて1~2年経った頃から、母が毎日のように父の悪口を言うようになりました。

私はそんな中でも、自分の両親が離婚するなどとは夢にも思いませんでした。しかし、私が小学4年生になった頃、母は唐突に「お母さんはお父さんと別れるから」と私に告げました。

何が起きているのかさっぱりわからず「え?別れるって?どういうこと!?」と聞きなおすしか私には術がありません。

どうしても今の現状が頭に入ってこないのです。「お父さんが嫌いになったから別れるの!」このとき、辛いとか悲しいという感情は一切無く「信じられない」というのが私の正直な気持ちでした。

そしてその次に沸き起こったのが「これからどうなるんだろう?」という恐怖と不安。別れる当事者の大人でさえ、離婚後の生活に対する不安が大きく、離婚という選択をするのにためらいがあるのです。

自分の意思とは無関係に起きる環境の変化に巻き込まれるだけの子どもが、恐怖と不安を持つのは当然といえば当然です。

母の口から離婚の話が出ると、瞬く間に新たな展開へと突入しました。母は、A男と一緒に暮らすと言うのです。
「A男と暮らす?!」私には何がどうなっているのかさっぱりわかりませんでした。

母に「僕はどうなるの?」と聞くと「お父さんは跡取りの和雅(長男)だけはいるって言ってるけど、子どもは3人とも私が連れて行くから」と言われました。

私は父に「必要な子かどうか」を選別されたことがとてもショックでした。私は嘘でも「子どもは全員引き取る!」と言って欲しかったのです。

「跡取り」という理由で選ばれたことも悲しく思いました。私個人ではなく「家」のために必要としていたことが、小学4年生の私でも理解できたからです。

結局、両親の間で「長男をどちらが引き取るか」という点で争いになりました。しかしいくら話しても結論が出ません。そうなると、次に親がとる行動は「子供の意思を聞こう」となります。そして私は父にこう言われました。

「和雅はお父ちゃんとお母ちゃんとどっちと暮らしたい?」
「お父ちゃんと一緒に暮らしたか?暮らしたいよな!」
「もし嫌って言うんなら父ちゃん死ぬで!」

私は今でもその時の光景が脳裏から離れません。「本当に死んでしまうかも…」と思うほどの勢いが父にはあったからです。

子供に親は選べない

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しかし私は父にどういう答えも出せませんでした。当然です。父も母も好きなのですから。「子どもに親は選べない」そんな子供の気持ちをわかって欲しかったです。

結局最後は、A男が「どんなことがあろうと子ども三人をキチンと育てます」と約束したので、父も泣く泣く手を引きました。

かくして、母と私を含めた子ども三人は、A男と一緒に暮らし始めることになったのです。

両親が離婚した当時、私は小学4年生。法律のことなど何も分かりません。離婚する際に一体何を決めておくべきことなど頭の片隅にもありませんでした。

しかし、その後に法律を学んだ私は、あまりにいい加減な両親の離婚の現実が見え過ぎてしまい、愕然としました。

母は「養育費は要らないから二度と子どもに会いに来ないで!」と父に迫りました。養育費も面会交流権も子供の権利です。

その権利の主体である子供の私が「父親に会いたい!」と思っているのに会わせてもらえない・・・。
そんな理不尽なことは、実は世の中のあちこちで今も起き続けています。

母は父との関わりと断つため、養育費の免除を条件に面会交流の放棄を父に迫りました。養育費や面会交流権は子供の権利なので、親の勝手で放棄して良いものではありません。

馬鹿は騙されて損して負け続ける

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法律は基本的に法律を知っている人を救います。法律を理解し、うまく利用した者が勝ちます。正しい人や真面目に頑張っている人を救ってくれるわけではありません。

世間は、直接的な言葉では言わずとも知恵や知識や教養が無い人間を無意識のうちに馬鹿にします。どんなに世の中が進歩しても、弱者は必ず損をする状況に追いやられます。

私は約11年間、行政書士として離婚問題に携わってきましたが「知識と知恵が無い方が損をする」というのが私の結論です。

そんな私の思いを代弁するかのように、漫画やドラマで有名になった「ドラゴン桜」では、弁護士の桜木先生が高校生の生徒たちに対してこんな名台詞を語っていました。

おまえら!どいつもこいつもバカヅラばっかか・・・このままじゃお前ら一生負け続けるな・・・

いいか「負ける」ってのはな「騙される」って意味だ!お前らこのままだと一生騙され続けるぞ!社会にはルールがある。その上で生きていかなくてはならない。だがな・・・そのルールってのはすべて頭の良い奴が作っている!

それはつまりどういうことか・・・そのルールは全て頭の良い奴に都合のいいように作られてるってことだ!

逆に都合の悪いところは分からないようにうまく隠してある。だがルールに従う者の中でも「賢い奴」は、そのルールをうまく利用する。

例えば税金・・・年金、医療保険、給与システム・・・みんな頭の良い奴がわざと分かりにくくして、ロクに調べもしない頭の悪い奴から多く取ろうという仕組みにしている。

つまりお前らみたいに頭使わずに面倒くさがっている奴らは、一生騙されて高い金払わされ続ける!賢い奴は、騙されずに得して勝つ。バカは騙されて 損して負け続ける。これが今の世の中の仕組みだ!!

だからお前ら、、騙されたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら勉強しろ!!これはお前らの人生のターニングポイントだ。もたもたしている奴にチャンスはねーぞ。

そういう世の中が気に食わないんだったら、自分でルールを作る側に回れ。いいか、もう一度言う。お前ら騙されずに生きて行きたければ勉強しろ!!

東大みたいなブランド、ありがたがってる連中見ると、反吐が出る。てめえが東大行ったってだけで、人生成功したと思ってる奴ら、目の前の相手が東大出だと知った瞬間卑屈になる奴ら、みんな下種野郎だ。

今のお前には まだ わからんだろう。なぜなら、お前らガキは、社会について何も知らないからなぁ。いや、知らないというより、大人たちがわざと教えないんだ。その代わり、未知の、無限の可能性だなんて何の根拠もない無責任な妄想、お前たちに植え付ける。

そんなもんに踊らされて、個性活かして、他人と違う人生送れると思ったら、大間違いだ!社会はそういうシステムになっちゃいない!それを知らずに放り出されたお前たちに待ってるのは、不満と後悔の渦巻く現実だけだ。そういう世の中が気に入らねェんだったら、

自分でルールを創る側にまわれ。いいか、もう一度言う。お前ら、騙されずに生きて行きたければ、勉強しろ!バカとブスこそ 東大に行け!!

過激なセリフのオンパレードですが、表には出にくい世の中の本質を鋭く指摘した名言だと私は思います。

馬鹿は不幸の原因が理解できない

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両親を早くに亡くして中卒で働き始めた父は「中卒でも問題ない」と思っていました。でもそれは本人が気付かないだけで、実際は勉強不足が様々な形で不幸や不利益が降りかかっていました。

知人の借金の保証人になって大きな責任を負うことになったり、車内に置いていた現金をちょっとした隙に盗まれたり、自分の店に泥棒が入ったり、居眠り運転で交通事故を起こしたり・・・

賢い人は、良くない出来事が起きたら「自分の不備が招いた不幸」と反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないよう改善策を施します。しかし馬鹿は、自分に降りかかった幸福や不幸を「幸運・不運」と言い換え、あたかも偶然降りかかった災難のように片付けて、反省の無いまま同じ過ちを繰り返します。

勉強とは無縁の話と思われるかもしれませんが、実は大ありです。馬鹿は、数学のちょっとした計算ミスを「解く実力はあるんだけどケアレスミスをしちゃうんだよな」と言って、間違った原因を反省もせずに同じ過ちを繰り返すします。

しかし賢い人は「ケアレスミス=実力不足」であることを真面目に勉強をする中で学んでいるので、素直にミスの原因を追究し、同じミスを防ぐことができます。残念ながら私の父はそれが理解できませんでした。

  • 保証人の責任を負ったのは借金を返さない知人が悪い
  • 車内の現金が盗まれたのは盗んだ奴が悪い
  • 自分の店に泥棒が入ったのも泥棒が悪い
  • 居眠り運転で事故をしたのは、前日に仕事が遅くて寝不足だったから

こんな風に父は、起きた不幸の原因を誰かや何かのせいにして反省しなかったので、何度も騙され、盗まれ、事故をしていました。母と離婚した後に再婚しましたが、その人とも離婚しました。

明るくて人が良くて面白味のある人間性でたくさんの人に好かれていた父が人生でつまづいたのは「父からも母からも学校からも学ぶ量が不足したから」というのが私の見解です。

人が良いだけでは生きていけない・・・
勉強しないと父のようになる・・・

父とは10年以上も絶縁状態が続いておりますが、父を思い出すたびそんな思いが蘇ります。そう、父は私の偉大な反面教師なのです。

続き・・・「賢い人は先を見越して準備している」

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